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けあ・あんだんて

【施術例3】 Wさん 63歳 女性 様態レベル④

傷病名は「多系統萎縮症」、脳と脊髄の部位の変性が進む病気です。排尿・嚥下の障害及び、左脚の麻痺・痛みがあるWさん。
左脚の麻痺・痛みの状態に配慮しながら「床ずれ防止」「全身の血行促進」「関節可動域の確保」、そして「座位保持」が保てる筋力の維持を目標に施術プログラムを組んでいます。

まずはスタートポジションにして、上半身のリラクゼーション・マッサージ

Wさん、こんにちは

左足の調子はどう?

今日は上半身から始めようか、軽くさすっていきます

手のひら全体を指圧していきます、ゆっくりと温めながら

親指から小指まで、指も1本づつ指圧していきます

次は前腕部をマッサージ、血液循環改善を目的に末端から・・・

手掌全体を使って、筋緊張を和らげていきます

上腕部もしっかりマッサージ

上腕三頭筋部、ベットの接地面はより循環が悪くなる傾向にありますので、しっかりマッサージ

肩から首にかけて・・・、Wさん力加減は大丈夫?

リラクゼーション・マッサージの最後は腕全体を軽くさすります

多系統萎縮症(小脳・中枢神経の疾患)による運動失調のためベット上で過ごすことが多いWさん、まずは血液循環改善のマッサージを行います

後半は少しハードなメニューだから、脚のリラクゼーション・マッサージもやっておこう

そう、今日の後半は少しハードなメニューだから、脚のリラクゼーション・マッサージもやろう!

足の裏を優しく指圧、Wさん痛くない?

足の指も、親指から小指まで指圧します、あらら指先冷たいね

脛の外側、前脛骨筋っていうんだけど、ここは固くなりがち・・・、ここも優しく指圧

下肢の血行促進のため、ふくらはぎを下から上へマッサージ

血行促進が終わったら、今度は筋肉を緩めていきます

太ももの裏側も優しくマッサージ

太ももの裏側は外側と内側に分けてマッサージ

日によってメニューは異なりますが、後半が少しハードなリハビリの場合、全身リラックスしてもらうことはとても大切

体を動かすことが難しいWさん、関節可動域訓練も行います

これくらいでいい?
真っすぐにしたらしんどいかな・・、少しだけ頭上げますね

よーし、そしたら少しづつ動かしていこう!

左脚痛いのどう?

うーん、左脚固いね・・

まずは指関節から動かしていくよ

足の関節(MP関節)動かすね・・・、ちょっと浮腫(むくみ)が出てる、痛くない?

膝曲げるよ、Wさん自分で曲げれる?

お、いいね、これくらいでOK

膝関節を動かします、少しづつ揺らすイメージで

そーっと脚を上げてみて・・・、次は股関節だ

次は痛い方の左脚、少しだけ動かしておこう

右脚と違い、可動域に注意しながら、Wさんの表情を確認しながら・・・

股関節の内旋・外旋、少しづつ揺らしながら可動域を広げていきます

左脚に痛みのあるWさんですが、痛みの出ない範囲で足・脚関節のすべてを動かします、可動域の確保は「生活の質」に直結すると私たちは考えています

今日はね、隣の椅子に移ってもらうよ、これも大切な訓練!まずは起き上がり

今日はベット横に用意した椅子に座ってもらいます、これも大切な訓練です

移乗しやすい高さにベットを調整します

今日はね、この椅子まで来てもらいます!

ここを持とうか、自分でできることは自分でやってもらおうかな~

骨盤と肩甲骨の後ろに手をかけて・・・

よーし、ここまで来たね。

そしらたお膝まげってって、お膝まげてってって・・・

よーし、ゆっくり起きるよ~

今日は「椅子への移乗」→「上半身の運動」のメニュー、Wさんにできることは行って頂き、しっかりサポートしながら起き上がり

よーし、起き上がり成功だ この状態で上半身を動かそう

ここまできたら、一度座りなおそうか

よーし、ここでおへそを前に出してみようか

Wさん、ちょっとこっちの手を見せて

よーし、この手を自分で握ってみよう、あら上手!

上半身の運動ね
さあ、顔を上げってて~

上半身・腕の運動は座って行いたいので、ベットから起き上がってもらいます。寝たきりの方でも介助でベットに座れる方(股・膝関節90度に曲がる方)は毎回行うようにしています

いよいよ隣のイスへの移乗です

さあ、今日のメインです
隣のイスに移ってもらいます
しっかりフォローするからWさん頑張ろう

ちょっとベットの高さを上げようか、体重移動がしやすいように・・・

膝を真ん中に入れて・・・

こっちの手、私の首・背中に回せる?
左の肩は痛いからこれ以上は無理よだよね

自分の膝を見るように、頭を下げて・・・、よし、行くよ、えいっ!

立てたね!
今度は私が軸となってクルっと回って・・・

大成功でございます(笑)

気持ち悪くない?

良かった、でも今度はベットに帰らなきゃいけないけどね(笑)

Wさんのように、「ベットからイスへの移乗」をADL(日常生活動作)訓練で行うこともあります、ベット上では出来ない訓練もたくさんあります

移乗は成功!でも、ベットに戻らなきゃいけないね(笑)

さあ、帰ろう
私の膝を入れて、私の首と背中に手を回してよ

戻ってきたね、あらら、座る位置が浅かったから座りなおすよ

そんなら横になろうか、こっちの脚(右)はWさんで上げてみて

肩・腰の位置を直して・・・

左脚の開脚防止のため、クッションを入れます

Wさん、おつかれさまでした(笑)
今日はなかなかハードだったね。

また来ますね~

多系統萎縮という難病を患っているWさんですが、本人のやる気もあり根気強くリハビリを続けてくれています。私たちも、Wさんとご家族の気持ちに応え続けたいと、毎回の施術に工夫をしながら続けています